目標達成度評価

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国際金属・鉱業評議会の会員企業は、ICMMの10の基本原則を順守し、関連するすべての目標を達成しなければなりません。達成すべき目標は、NGO、国際機関、および学術機関からの広範な意見をもとに作成されました。

ICMMは、鉱業と金属業における変化を促し、操業の改善を推進するために持続可能な開発に関する10の基本原則を2003年に発表しました。この基本原則は、会員企業にとってグッドプラクティスの基準となり、また、いくつかの分野で、業界全体で改善にも役立ちました。私たちは加えて、生物多様性、水資源管理、収入の透明性などの主要な課題に関する8つのポジションステートメントを導入し、基本原則の補完を行ってきました。

しかしながら、業界が徐々に操業を改善するにつれて、社会の期待も進化し続けてきました。以下の目標は、これを受けて改訂されたICMMの持続可能性の枠組みの最新事項です。すなわち、労働者の権利、住民移転、現地調達、性別、苦情申立制度へのアクセス、鉱山閉鎖、汚染、廃棄物などの問題について、包括的な環境および社会的要件を定め、操業現場レベルで検証を行います。

ICMMは現在、操業現場レベルでのメンバー企業の目標達成度の検証方法について、独立外部機関による評価も含むガイダンスを作成しています。このガイダンスは、2019年半ばに作成した後、2019年後半に試験を行い、続いて会員企業全体で全面的に導入される予定です。

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基本原則1

倫理的企業活動と健全な企業統治、透明性を実践し、持続可能な開発を支援します。

1.1:適用法の順守を維持するための体制を確立します。1

1.2:賄賂と汚職の防止を目的とした企業方針を採択し、円滑化のための支払いを公に開示します。

1.3:ICMM方針の枠組みに沿った方針と基準を導入します。

1.4:理事会、執行委員会レベルで持続可能性のパフォーマンスの説明責任を割り当てます。

1.5 直接的または仲介を通じて行われた財政的および現物出資の政治献金の額と受益者を開示します。

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基本原則2

企業戦略と意思決定過程において「持続可能な開発」の理念を堅持します。

2.1:投資、設計、運営、閉山に関する企業戦略と意思決定過程において持続可能な開発の理念を堅持します。

2.2:合弁事業のパートナー、サプライヤー、請負業者による、リスクに基づいた責任ある安全衛生、環境、人権、労働方針および慣行の採用を促進します。

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基本原則3

従業員や事業活動の影響を受けるコミュニティの人権、利益、文化、習慣、価値観に敬意を払います。

3.1:人権尊重を確約する方針を策定し、人権デューデリジェンスを実施し、会員が引き起こしたまたは寄与した人権侵害の是正を可能にするプロセスを提供またはそれに協力することにより、国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」を支援します。

3.2:強制的な家族や地域社会の物理的または経済的な移動を避けます。これが不可能な場合は、階層的な緩和措置を適用し、残留有害事象に対処する措置または救済策を実施します。

3.3:リスクに基づいて、「安全と人権に関する自主原則(Voluntary Principles on Security and Human Rights)」に則った人権とセキュリティのアプローチを実施します。

3.4:幼年労働や強制労働を雇わない、人身売買を避ける、18歳未満の人に危険なな作業を割り当てない、嫌がらせや差別をなくす、結社や団体交渉の自由を尊重する、労働者の苦情に対処する仕組みを提供することにより、労働者の権利を尊重します。

3.5:従業員に、法令で定められている限度内で定期および超過勤務時間を割り当て、法的要件と同等以上の賃金を支払うか、その雇用市場内で競争的な賃金(いずれか高い方の賃金)を報酬します。

3.6:プロジェクトの設計、開発、運営において、先住民の権利、権益、願望、文化、自然資源に基づく生計を尊重し、悪影響に関し、階層的な緩和措置を適用し、先住民に持続可能な利益をもたらします。

3.7:移転、土地や領域または重要な文化遺産への阻害の結果として重大な悪影響が発生する可能性がある場合、先住民から無料で、事前に状況をよく説明した上での同意を取得するよう努力し、合意における対話と承諾プロセスの成果を把握します。

3.8:女性の権利と利害を尊重し、職場におけるダイバーシティを支援するための方針と慣行を実施します。

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基本原則4

リスクに関するステークホルダーの観点を取り入れ、健全な科学手法に基づいた効果的なリスク管理戦略と体制を導入し、実行します。

4.1:新規プロジェクトや既存事業への著しい変更に対し、利害関係者および影響を受ける関係者と協議し、必要に応じて環境および社会への影響評価(ESIA)を実施し、ESIA報告書を公表します。2

4.2:紛争の影響を受けた地域やリスクの高い地域で操業したり、調達したりしている場合は、「OECD紛争地域及び高リスク地域におけるデュ-・ディリジェンス・ガイダンス」に沿った、紛争と人権に関するリスクに基づくデュー・ディリジェンスを実施します。

4.3:承認された国際基準または管理システムに基づいて、労働者、地域社会、文化遺産および自然環境に対する安全衛生および環境への影響を避け、予防し、最小限に抑え、緩和または改善するためのリスクベースの管理を実施します。

4.4:緊急事態対応計画を策定、維持、試験します。外部ステークホルダーへのリスクが大きい場合、これは影響を受ける可能性のある関係者と協力し、確立された業界のグッドプラクティスと一致していなければなりません。

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基本原則5

災害・事故ゼロを目標とし、労働安全衛生成績の継続的改善に努めます。

5.1:職場の安全衛生を継続的に改善することを目的とした慣行を導入し、職場での死亡、重傷を排除し、職業病を予防するためのパフォーマンスを監視します。

5.2:労働者の安全衛生に対する責任に応じた訓練を提供し、職業暴露に基づいて健康監視およびリスクベースのモニタリングプログラムを実施します。

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基本原則6

水資源管理、エネルギー、気候変動などの環境パフォーマンスの継続的な改善を追及していきます。

6.1:関連当局、および内外のステークホルダーと環境面および社会面での対処を協議して閉山を計画し、合意された閉山と閉山後のコミットメントを実現するための財政的準備を行います。

6.2:強力かつ透明な水統治、事業での効果的な水の管理、協力し、責任ある持続可能な水の使用を実現する水資源管理を実行します。

6.3:決壊のリスクを最小限に抑えるために、国際的に認められたグッドプラクティスに沿った、包括的でリスクベースの管理とガバナンスを使用し、廃さい・鉱滓ダム の設計、建設、運営、監視、廃止を行います。3

6.4:階層的な緩和措置を適用して、汚染を防止し、排出および廃棄物を管理し、人の健康および環境への潜在的な影響に対処します。

6.5:エネルギー効率を改善し、二酸化炭素排出量の少ない未来に貢献する措置を実施し、CO 2換算(GHG)排出量測定において国際的に認められた手順に基づいて成果を報告します。

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基本原則7

生物多様性の維持と土地用途計画への統合的取り組みに貢献します。

7.1:世界遺産指定地内で探鉱したり鉱山を開発することなく、法的に指定された保護地域を尊重し、新規事業や既存事業への変更は指定の根拠となっている価値に抵触しないよう設計し、運営します。

7.2:保全価値の高い場所の生物多様性行動計画によって支えられた階層的な緩和措置を適用することにより、生物多様性、特に絶滅の危機にある生息地への潜在的な悪影響に対処します。4

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基本原則8

金属、鉱物を含有する製品の責任ある製品設計、使用、再利用、リサイクル、廃棄が行われるためのナレッジベースとシステムを奨励し、推進します。

8.1:プロジェクトの設計、運営、および廃止では、エネルギー、天然資源、資材の回収、再利用またはリサイクルのための費用対効果の高い措置を実施します。

8.2:「危険分類および表示に関する世界調和システム」または同等の関連規制システムに従って鉱業製品の危害を評価し、必要に応じ安全性データシートとラベル表示で伝達します。  

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基本原則9

継続してソーシャルパフォーマンスの改善を追求し、事業を展開する国・地域の社会、経済、制度の発展に貢献します。

9.1:地域社会との包括的なアプローチを実施して、必要に応じて、政府、市民団体、開発機関と協力して、地域社会の発展の優先事項を特定し、持続的な社会的経済的福利に貢献する活動を支援します。

9.2:プロジェクトのライフサイクル全体を通じて、地場企業に直接的に、また大手請負業者やサプライヤーも奨励することによって、また地域社会の経済的機会を高めるためのイニシアチブを支援することによって、地場企業による調達および契約機会へのアクセスを可能にします。

9.3:地域の状況を分析した上でステークホルダーとの関係構築を行い、地元のステークホルダーに、企業およびその活動に関連する苦情の解決を図ることができる効果的なメカニズムを利用できるようにします。

9.4:必要であれば政府と協力し、現地の「小規模及び技工による採掘」(ASM)の環境および社会慣行の改善を支援します。

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基本原則10

持続可能な開発課題と機会に関し、主要ステークホルダーとオープンかつ透明な方法で積極的にかかわり、効果的に報告し、第三者により進捗とパフォーマンスの検証を行います。

10.1:持続可能な開発の問題に関し、主要企業レベルの外部ステークホルダーを特定し、オープンかつ透明な方法でかかわります。

10.2:「資源採取産業透明性イニシアチブ」(EITI)の実施を公けに支持し、政府の適切なレベルで、国別、プロジェクト別の重要な支払いすべての情報を編纂します。

10.3:「GRIサステナビリティ・レポーティング基準」を使用して、経済、社会、環境のパフォーマンス及び持続可能な開発への貢献を報告します。

10.4:毎年、会員資格の確認と検証検証に関するICMMのガイダンスに従い、持続可能性パフォーマンスの第三者検証を実施します。

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ノート

1.  注:ICMMの会員企業は、操業国で適用されるすべての法律を既に順守しています。しかし、多くのステークホルダーが、鉱業会社に法令順守を確実にする強力な体制を持っていることを示してほしいと述べています。

2.  ESIAは、大気、水、生物多様性、騒音と振動、健康、安全、人権、性別、文化遺産、経済問題などの問題を網羅しなければなりません。協議プロセスは性別に配慮し、社会的に疎外されたり、脆弱なグループも含む必要があります。

3.  河川鉱滓、淡水湖、浅瀬海洋鉱滓の廃さいは、鉱滓管理代替案の客観的かつ徹底した環境および社会への影響の評価に基づいて、環境的かつ社会的に最も健全な代替案とみなされる場合にのみ考慮します。評価の範囲は、会員企業と操業国の政府との間で合意しなければなりません。

4.  新規・拡張プロジェクトにおける、生物多様性・生態系の総量維持への挑戦。